映画「スウィーニー･トッド」 ﾈﾀﾊﾞﾚ

スウィーニー・トッド公式サイト

オープニング、滴る雨の表現が(たまに血だけど:笑)とても綺麗でした。
音楽も世界観も衣装も色使いとかみんな良かった！

もちろん物語も！

トオルの大好きな切ないお話。
トッドが殺されて映画おわったけど、最終目的である判事を殺せたから本人的には悔いはないんじゃないかな。
奥さんは死んだと思ってたから復讐だけが生きる理由だったわけでしょ。
奥さんを自分で殺したとなると後悔はたんまりあるだろうけど、ますます生きる理由ないし。
あれはあれで幸せな終り方だったのかも。

でもね、こんだけ切ない話がてんこ盛りなのにイマイチはまり込めないのは何故…

自分でも良く分かんないんだけど、色々考えるとたぶんトッドが「無差別殺人犯」だからなのかな。
だってやむにやまれずって訳じゃないんだもん！
あのパイ屋の女主人(名前忘れた)のアイデアに乗せられた感じだし。
八方塞がりのときに一筋の光明だと勘違いするには十分かも。
 
やっぱ加害者には共感できないからか。

そのパイ屋の女主人ですが、彼女は自業自得としか言い様が無いですな(笑)
恋は盲目です。
きっと旦那が生きてた頃からバーカー氏に傍惚してたんでしょうな。
奥さんが落ちてくのを見つつ嫉妬から喜びを感じたかもしれません。
彼女がピクニックの最中に妄想を語るじゃないですか。
表情のない背中を丸めたトッドが横にいてもお構いなしで自分の希望だけを語るのよね。
あの時は笑って見てたけど、あとで考えれば彼女には彼がどう思ってようと構わないって事だったのよね。
とりあえず「私の恋が成就すれば！」であって、好きな人自身の想いや幸せなんて考えも及ばないのでしょうな。
愚かな女です。

愚かといえば判事。
トッドの奥さん毒飲んだって聞いたけど、死んでないし顔も醜くなってないのによくあの判事が手放したなぁって単純に思うんだけど。
看護を理由に閉じ込めそうじゃないですか。
ただ単に一度味見をしたいだけで毎日花持って通い詰めるもんなの？
うーん変態の考え方は理解できません。
しかも自分の娘ほどの子に求婚して「なんで喜ばないんだ？」と本気で思ってる所がますます変態臭くてキモイです。
世界中の枕絵を集めてるってのも変態キングって感じでキモさ倍増！

あと忘れちゃダメなのが奥さんね。
確かに判事の家の前で物乞いしてたし、パイ屋のそばをウロウロしてたし、落ちぶれても気になってたんでしょうね、あれが奥さんだよってメッセージだったのね。
しかし毒飲んだけど記憶に障害とか残ってないみたいだし、なんでトッドがまた同じ場所で同じ理髪店を開いたなら遠くから見てて気付かなかったのかちょっと疑問には思います。
顔が見えなくたって「まさか！？」と思えば近くに寄るだろうし、そしたらそのとき分かると思うんだよね。
原作では奥さんのもっと細かい設定とかあるのかしら。 


あ、トオル唯一泣いたシーンがあるんですよ。
わかりますかね。(笑)

パイ屋の女主人に下男の子がどんなに敬愛してるかを歌ったシーンです。
お互いを想う気持ちは本物なのに向ってる先が違うという切なさはとても良かったです！
男の子の気持ちが純粋なだけによけい際立つのよね。 


キャスティングも見事でしたねぇ。
ジョニデはもちろん、判事も役人も奥さんも女主人もピッタリ！
それに若いまだ穢れをしらない世代はホントに綺麗な…顔も可愛らしければ、歌声までも可愛らしい。
娘さんは本当にお伽話のお姫さまみたいで♪
あ、でも船乗りの子は綺麗だけど、あれ一歩間違えればストーカー。（笑）


感想をまとめると、トオルの満足度は3.5かな。4までに一歩及ばす。
作品的には4なんだけど、無差別殺人犯には共感できないということで3.5。